親方の独り言

 この家業(家大工=やだいく)を続けてきて
 物心ついてから この30数年 建物(主に住宅)を見続けてきて

 耐震金物・高気密・高断熱・シックハウス・電気設備機器・住宅設備機器
 基礎パッキン・通気金物・屋根断熱通気工法・自然素材・化学製品
 様々な物や様式が 変わってきているなあ と 思う

 修行時代(今も修業時代なのだけど 他人の釜の飯を食う と言う意味で)に
 幸いにして 素晴らしい工務店の社長に 手ずから育てて頂いた
 健康住宅の声が高まる10年以上前に 最前線のドイツ研修に10日間行かせて貰ったり
 合理化認定取得の為に 日本住宅木材センターのある 東京赤坂に通わせて貰って
 その当時の金物工法の最前線を見られたり パネル工法の最前線や
 高気密高断熱の各地域での取り組み方法を肌で勉強させて貰えた

 知ろうとすると 日本住宅新聞や その数年後始まった日経ホームビルダーや 日本産業新聞や
 その他 色々なセミナーが 各地で開催されていて
 「行きたい」と言えば 必ず社費で行かせて貰える 本当にH工務店の社長に世話になった

 知ろうとすると 今まで知らずにやってしまっていた事 もっと良い「住まい」にする方法
 「気付き」を与えて貰う事になる

 一生に恐らく「一度の住宅建設」になる 巡り合わせて頂いた人に
 自分の勉強が足りなかったせいで 「足りない住まい」に成ってしまうのは犯罪だ と考えている

 だから 「面倒である」とか 「施工が難しいから」という理由で 行わない工事は しない
 必ず 「なにがしかの理由」が 造る行為には付随していて 理由の無い事はしない

 アイシン精機との金物打合せや 福岡大学の須貝先生や 院庄林業の副社長や 板久との話や
 住宅新聞の編集長や 住友林業の福本さんや 現場の大工棟梁衆の意見や 協力業者の意見や

 なんやかやの理由が 行為には あるもんだと 思っている
 ちっちゃい ちっちゃい 工務店である事を言い訳に 「知ろう」とする事を 辞めたく無い

 そんな事であれば 別の会社に入って 家造りをしても同じではないか と 思う

 「知ろう」とする行為を続けていくこと

 知ったからには 「良いと信じる工法・材料選択」を 行う事

 会社組織では出来ない・出来難い 
 会社は利益を追求していく宿命を負っていて
 もちろん「お客様に満足頂くことで利益を得ている」のだから
 利潤の追求でなくて満足の追求だ
 という 会社側の言い方も 間違いじゃないんだろうけど

 違和感が あるからこそ 自分でごちょごちょやっている訳で
 会社にいても出来るのだろうけれど 違和感があるので
 というか 我が儘なので
 ちっちゃなちっちゃな工務店の親方で あり続けたいと願っている

 時間が足りない 知る行為は続けたい 時間が惜しい
 今日も一日 屋根登ったり床下に潜ったり これはこれで大事な事なんだけど
 今日も なんか 一日過ぎてしまった
 時間を作って 知ろうとする事 続けて行くのが 自分の工務店の姿だと思う

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