手の届く桧の家

Point.1 桧を使う理由

人が住む家を建て続けてきました。「何が出来るのか」を、ずっとずっと考え続けています。できることなら、「人に優しい」「肌触りのよい」「木の家」が良い。日本の風土に合った、日本で育った木を使いたい。日本の木と言えば、使用できる材料は「杉」か「桧」。「杉」は材質的に柔らかすぎて床板には適さない。それならば、「桧」しかない。

そんな理由から、桧を床の材料に使っています。せっかく「一生住む家」に使うのだから、いつも直接肌に触れる部分だから、出来るだけ厚くて丈夫で、神社・仏閣・お寺に昔から使われているものがいい。しかし、そんな材料は特殊であり、一般流通していないのが現実です。使おうとすると途方も無く「高価な物」になってしまう。

※写真は左が一般の床材、右が27ミリの桧の床板

Point.2 それでもやっぱり使いたい。

昔から良いものだと重々承知しているから使いたい。「木は天然の断熱材」だから、やはり厚さが欲しい。しかも「桧」でなければならない。

とことん追求し、探し回った結果、知人の木材商から紹介を受けることができた。内田工務店で使っている「27ミリの桧の床板」を、適正価格で手に入れることができたのです。地方の小さな工務店がするようなことでは無いかも知れない。

しかし、小さい頃から家を見続けて来て、自分の信じる『本物の住宅』を建てるためには、この「ぶ厚い桧の床板」は、自分にとっては無くてはならない材料です。是非使ってみて下さい!

「ほんに、え~材料なんじゃから。一生もんだよ」

Point.3 手の届く価格

家は何のために建てるのでしょうか。「太陽光発電を利用してエネルギー効率の良い家にしたい」「おしゃれな家にしたい」「地震に強い家にしたい」「友達に自慢できる我が家にしたい」「快適な空間にしたい」色々な理由があると思います。けれども、家を建てる最大の理由は『家族が幸せになるため』だと思っています。どんなに良い家でも、無理して購入してローン破綻しては意味がありません。借金返済のため仕事やパートに追い立てられ、家族で過ごす時間が少なくなったり、御主人や奥様の小遣いが減ったり、子供に十分な教育費や娯楽費を注ぎ込めなくなったり・・・。

それが「幸せのカタチ」だとは思えません。無理のない予算で支払える範囲内でマイホームを建てなければ意味が無いと思います。

Point.4 住宅会社にできること

ハウスメーカーやローコスト住宅メーカーで行われている、「材料のコストダウン」「仕事の効率化」に取り組むのは当然ですが、「机に座っている人間を減らすこと」が一番大事だと考えています。住宅展示場を持たず、営業・設計・現場監督・経理・事務の諸業務も最小限の形にして、人件費や固定費を減らすことで、手の届く価格で「本物の桧の家」を、巡り合った人と共に建てたいと願っています。お金は「建てる家」に費やすべきで、広告や展示場に費やすべきではありません。「全ては巡り合う人の幸せのために」

それが内田の願いです。

Point.5 職人の手で。

様々な効率化が行われ、住宅も工場で造られる部分が多くなりました。「職人」と呼ばれる人も少なくなっています。「住宅」が「他の建築物」と違うのは「住まい手」がこの世にただ1つの存在だということ。「この世に1つの家族のために建てられる、この世に1つの家だ」ということです。規格住宅や建売住宅でなければ、1つ1つが「手作り」です。注文住宅の場合、最終的には、その仕上り・出来栄えは「職人」の手にゆだねられます。内田の先代は大工職人でした。子供の頃からその後姿を追ってきた内田は、やはり「職人でありたい」と願い、「親方という名の職人」になろうと思っています。

Point.6 気難しいかも知れません。

職人なので「間違った仕事」はやれと言われても絶対にしません。「お金のために嫌な仕事をすること」もしなければ、「嘘と分かっていて無理やり仕事をすること」もしません。「耳障りの良い言葉も吐きませんし、言葉使いも丁寧ではありません」

わしら「職人」は、その「職」という技能を持って、「巡り合った人に自分達の最高の仕事をして行く」「全てはお施主様の『笑顔』のために」仕事をしています。気心の知れた「棟梁三人衆」を中心に、「愉快な仲間達(基礎・足場・左官・板金・塗装・電気・水道など各職方衆)」と共に家造りをしています。「家造りを通して知り合ったお施主さん・職人、皆が笑顔になれる」そんな家を造りたいと思います。「あの家はわしが建てたんだよ」と子供に誇れる仕事がしたい。

職人の気質はそんな所にあります。

わしらぁが造っているのは「商品」なんかじゃぁない。そこに住む家族のための唯一無二の「作品」なんじゃよ。わしらぁがこの世に生まれて来た「あかし」なんじゃよ。