親方の独り言

 なんだか初めて現場よりの話の感じがする

 来週やっと 足場ばらし
 足場が無くなると 難しくなる事が やっぱりあって

 外壁の清掃・樋の清掃・防水(シーリング)・軒裏・破風廻りのチェック
 塗装が不十分な所は無いか

 足場を頼りに 雑巾とバケツとヘラを持って ぐるぐる廻る

 一つ一つ 雑巾がけしていると
 協力業者(左官・瓦・板金・塗装)の面々の手仕事が伺えて 感慨深い物がある

 やっぱここはやり難かったんじゃなあ 養生はしちょったけど拭きのこしちょるなあ
 お~こねえやって納めたか 今年は寒かったけえ辛い仕事じゃったろうなあ

 先代より自分に代が移ってから 増改築でも新築でも 必ず自分自身で仕上げ掃除をする
 別の会社で修業時代の時は思いもよらなかったけど 横着にも掃除業者に任せていたけど
 掃除をしないと分からない事が沢山あって
 
 自分の手で全ての物を触り 自分の目で見て 自分の身体で動いてみると
 教えられる事・自分の考えている事・お施主さんの事・協力業者の事
 色んな事を考えさせられる

 一般的な建築会社は 外部廻りの掃除は してないのじゃなかろうか
 やった方が ええと思うがなあ いらん世話じゃけど・・・
 家の中のハウスクリーニングも めいめいでやった方が ええと思うがなあ
 安い単価で買いたたいてクリーニングして貰っても
 「悪い思い」の詰まった家になると思うんじゃがなあ
 見える所しか掃除してもらえんと思うんじゃがなあ  ・・・やっぱりいらん世話じゃけど

 みんな必死の思いで でも楽しみながら仕事してるんだよ
 その思いを自分に 染みこませるのには
 自分で後始末(掃除)するのが 今の所は一番良いと思っている
 わしゃ ただただ ええもん造りたいんじゃ 笑顔を見たいんじゃ

 現場の掃除・作業場の整理が 自分の仕事の20%は占めている気がする

 雑巾を持ちながら時々「わしゃあ何しちょるんかのお 他にする事一杯あるんじゃないかのお」
 そう思うのも事実で 自分自身よお分からん ただ変な話だけれど
 かんなクズ掃除したり 現場の不要になった木片を近所に配ったり ワックス掛けしたり
 そんな事をしていると 職人衆の面々と気持ちが通じる錯覚があって
 頑張ってくれ わしゃ後の始末は必ずつけるけえ ええ仕事してくれえ
 自分の気持ちが伝わる気がする

 わしゃ 馬鹿じゃけえ よお分からんが 「お施主様の事を思って仕事してくれ」とか
 「プロの仕事をしてくれえ」とか「責任持ってやってくれえ」とか
 当然の事を協力業者の面々に言う気も言ったこともなく
 言わんでも そんなのは当然の事で 言う必用の無い事で

 わしの行動を見てくれて考え方を分かってくれる人達が集まってくれて
 「ええもん造ろうぜ」に なる気がする
 ええもん造りたいから 頑張る
 わしらあ職人は言っても駄目なんじゃ
 身に染みこませる事しか出来んのじゃ 言っても分からん馬鹿じゃから職人なんじゃ

 なんか 職人ちゅうのは 身に染みこんだ人種を そう呼ぶんじゃなかろうか

 来週は 内部掃除に入る

 見学会も させて貰う事じゃし 写真を折り込んでみようかなあ

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