屋根(其の一)

今回は 屋根(其の一)

屋根形状にも色々あって

「片流れ」「切り妻」「寄棟」「入母屋」

勾配も色々あって

折板だと1/50だったり1/100だったり

瓦棒(クイックルーフ)だと1/10だったり2/10だったり

カラーベストだと3/10から

瓦は4/10からの勾配寸法で

自分が 屋根で大事だと思っているのは

①耐久性 ②価格 ③デザイン

の順番で

①耐久性

瓦が一番だと思っている

地域性はある

北海道・東北の雪深い所は

雪が自然に落ちてきては大変なので なるべくフラットな屋根が望ましくて

実際に北海道に行って感じたのだが

瓦棒(クイックルーフ)が 建物の多くを占め

樋があると 樋が雪の重みで破損してしまうので

樋すらなく

瓦棒の軒先で水勾配をとり 樋風に流している現場を見て

「なるほどなあ~」

感心した

東海地方は地震被害の関係か

軽い屋根である瓦棒(クイックルーフ)が多く

瓦葺きの家が非常に少なかったのを見て

これまた「なるほどなあ~」

自分が 仕事をしている山口県は

比較的 地震が少ないので やっぱり瓦が一番だと思っている

近年「デザイン住宅」の流行で ガルバリウム鋼板葺きの家が

山口県でも増えているが

たった0.4ミリの厚さの合金メッキの屋根に

住宅の雨漏りを保証させるのは 酷な話だと思う

塗膜保証が15年ついていても

それって「15年経ったら塗り替えないとダメになりますよ」と

言っていることにならないのか?

ただでさえ 住宅価格が高騰して ローン支払いが大きくなっているのに

15年後 足場代金・塗装代金を 払わないといけない屋根って

いかがなものかと思う

ガルバリウムと言うけれど そんな元素はなく

材料はアルミ・亜鉛合金なので

塗装で耐久性を向上させているに過ぎない

海沿いや工業地帯で サッシ(アルミ)・ステンレス・ガルバリウム葺き屋根の

被害を 目の当たりにしてきて 少なくとも海沿いや工業地帯は

住宅には 使用を避けた方が良いのではないか?

わしが 主に造っているのは「住宅」で 工場・店舗では 無いので

「命を守る・生活を守る」箱を造っているので 金属屋根は疑問なのですよ

カラーベストも 塗装が必要なので

初期費用が安くても 20年後には瓦より結果 高くなってしまう

年間70件以上のリフォーム現場の中で 屋根工事もあり

瓦・金属屋根・カラーベスト・シート(又は塗膜)防水の現場を見てきて

自分は 瓦の屋根が 山口県では一番良い と思うのですよ

最初は高くても 20年後には「瓦で良かった」と思える時が来るのですよ

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屋根の勾配を緩やかにすると 当然屋根面積は小さくなり

1/10(一寸)屋根と5/10(五寸)屋根を比べると 約一割の屋根面積の増加

ローコストにしようとすると 屋根は緩勾配にした方が 絶対に良い

同じ材質なら 1/10で100万円なら 5/10で110万円に なってしまう

自分が採用しているのは「瓦」なので 基本は4/10以上の勾配

ただ 経験上 4/10の瓦にしてしまうと 台風や暴風時の水の逆漏りが おきる

6/10の勾配にすると 傾斜がキツ過ぎて 屋根足場が欲しくなるので これも却下

で 「瓦屋根で5寸勾配」が 内田工務店の基本 なのですよ

基本は基本なのだけど 特殊事情があって

ガルバ屋根・カラーベスト屋根・折板屋根・シート防水屋根の

どれもを採用したことは ある

ありますが 例外は どこまで行っても「例外」なので

瓦が良いと 思うのですよ

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今回は 屋根(其の一)の中の ①耐久性 ②価格 を

主に 取り扱った

次回は③デザイン が テーマの予定

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