親方の独り言 | 株式会社 内田工務店

株式会社 内田工務店

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親方の独り言

2015年 04月 09日 (木)

 先日 「巣籠もりの家」の 完成引渡しを 終了した
 既存不適格の 超煩雑な 事務手続き・申請書類を 乗り越え
なんとか かんとか 着工に こじつけ 引渡し期日に かろうじて間に合った
 元を ただせば 施主のTさんの家を 先代(内田修二)が 昭和55年に 建てさせて貰い
先代が 58歳で亡くなり その後 7年目に わしが 内田工務店を再開した時に
年賀状を Tさんに出したのだが 返信に「リフォームを お願いします」と あり
確かに わしは先代の息子では あるが Tさんに とっては どこの馬の骨とも 分からぬはずなのに
Tさんは 「内田さんの息子なら 間違った事を するはずが無い」と 大胆にも 言って下さり
わしが 独立して初めてのリフォーム工事は Tさんの御宅と なった
 「家業とは 地縁を繋ぐ物だ」 とは思っていたが
わしの独立早々に 仕事を任せて頂いた事に 今でも感謝している
わしの場合は 「内田工務店を継いだ」と言っても 先代の修二と 実際に現場に居たのは一年に満たない
 名古屋大学大学院を 卒業した後 内田工務店に入った物の すぐにAKI設計に 丁稚奉公に出され
4年勤めて ほぼ現場を任される所まで こぎつけたので 修行も終わりで
工務店に戻ろう と 思った矢先に 先代が亡くなってしまい
 この状態では 設計は そこそこ出来ても 施工が 全く出来んぞ 困ったぞ と 思っていた所
H工務店の社長が スカウトしてくれて
H工務店は わしの居た当時は 山口県でも5本指に入る住宅会社で
「本物の木の家造り」に 秀でた物があり
「健康住宅」も「高気密高断熱」も「金物工法」も 住宅業界の最先端を 突っ走っていて
そんな住宅会社に いきなり「設計課長」として 弱冠30才の若造(=わし)を 社長は抜擢してくれて
 ドイツに行ったり 東京出張は毎月の様にあり 九州山口匠の会の会議もあり 中国5社会議もあり
それとは別に 工法・断熱会議もあり
学ぶ事・知り合う人は 日本のトップレベルの知識や人で
そんな中に H工務店の代表として出席させて貰った事は
わしの人生の中で一番の「学びの場」だった
 もちろん 会議・研修会とは別に 通常の 御施主さんとの打合せ・見積り折衝・プランニングもあって
毎日が 充実していて
「はあ もう 内田工務店の再開は諦めてH工務店に骨を埋めようか」と思っていた
が やはり わしは 我儘なので 「自分の思う家・思う生活環境」が H工務店では実現しないと
分かった時点で 独立・再開の道を 選んだ
 前置きが 長くなったが そうやって再開した内田工務店の
第一号のリフォームの お客さんがTさんで その後 何年もやっていると
「修ちゃん(←先代)の 息子さんなら 間違い無いから 仕事を任せる」と 言ってくれる人など
実は 一組も存在せず
 実際に 先代と共に仕事をして 御施主さんと「顔なじみ」に なっている期間が絶無だった わしには
そんな 「親の威光」は 全く無い事が 3~4年経って初めて判明し
なおさら Tさんの 言葉・行動には 感謝しても 感謝しきれない思いがある
 今回 そのTさんの娘さんの家を 請け負わせて頂く事になり
わしは Tさんに感謝しても 感謝しきれない
そんな 状況の中 「小鳥と暮す(←部屋で放し飼い)」と言う お題を 頂き
自分の 持てる力は 全て出し切った感が有る
 先日 引渡し後に お邪魔すると なんとまあ 本当にインコが 楽しそうに 飛び交っており
こりゃあ 異次元空間じゃなあ~ と 我ながら感心した
 掘りコタツ有り パソコンコーナー有り 書籍コーナー有り ニッチあり 露出階段あり
20坪に満たない空間に 思いのたけを ぶち込んだ
また 一つ 内田工務店の かけがえの無い作品が 完成した
・・・・・・・・・・・・・・・・・ 先代とわしは クロスして 仕事はしていないけれど
わしは 間違いなく 内田修二の息子であり 「彼の人となり」を 一番間近で見て来た人間で
わしの 考え方の半分以上は 内田修二と同一だと 自分自身自覚しており
先代が 思っていた「自分と廻りの関り方」を わしは 踏襲している
 工法や材料や道具が 先代の時とは 様変わりしているので
建てている家の 性能や快適性は 全く違うのだけれども 根底に流れる「想い」は 変化していない
わしは 先代を継いでいるつもりで 子供の頃から見て来た「御施主さんと工務店の関係」を
続けているつもりで わしの やりかたは間違っているのかも知れんが
これが内田工務店なのだと 思う
 なんとも 奇跡的に Tさんについては 今度は息子さんが 帰ってこられて
水周りのリフォームを 依頼して貰っている
ここまで 深く Tさん家族と 縁するとは 思ってもみなかった
 これが「家業」の 姿だと 思っている